知っていますか? 「パテ」と「テリーヌ」の違い

「パテ」と「テリーヌ」。ともによく見聞きするフランス料理の名前ですが、その違いについて知っているようでよくわからないという人も多いのではないでしょうか? 同じような今回はその違いについてご紹介します。

「パテ」はもともとパイ生地に包んで焼き上げたシャルキュトリ

パテは、もともと肉や脂身、内臓などのファルス(詰め物用に各種材料を細かく刻んで混ぜ合わせたもの)をハーブやドライフルーツ、スパイスで味付けし、パイ生地などで包んで加熱したものを言います。パテには、「アンシエンヌ(à l’ancienne:昔風)」「トラディショナル(traditionnel:伝統的)」「スーペリア(supérieur:高級・上等)」などの品質表示や、「シャルキュトリ規範」による厳格な指定、「ラベル・ルージュ(Label Rouge:赤ラベル)」などの品質表示などがあります。

中世に、旅行などの際、食べ物を保護し、保存性を高めるために生地で包むようになったことが始まりと言われています。包むものは必ずしも食べられるものではなかったよう。その後、野菜、肉、鶏肉、魚などの具を「パート(pate)」と呼ばれるパイ生地に包んで調理したものを「パテ」と呼ぶようになりました。14世紀末のノルマン人の詩人で、司祭でもあったガス・ド・ラ・ビーニュ(Gace de La Bigne/Bugne)が、一つのパテに3羽のインコ、6羽のウズラ、12羽のヒバリを使っていたという記録が残っているそうです。フランスの各地域では、長い年月をかけて、その地域特有のパテのレシピが開発されていきました。

代表的なパテは、最も伝統的な「パテ・ド・カンパーニュ」。粗挽きにした豚肉やレバーを型に詰めて焼く料理です。「田舎風」を意味する「カンパーニュ」を名乗る伝統的なパテでは、肉は豚肉のみを使用しますが、レシピは地域によって異なり、各地域のスタイルがあります。バゲットとガーキン(メキシコ原産で、表面がつぶつぶした小ぶりのキュウリ)のピクルスを添えて、前菜やアペロのお供の一品として楽しむことが多いようです。「レバーパテ」パテは、レシピによって冷やしても、温めても食べることができます。

テリーヌ容器に入ったシャルキュトリ「テリーヌ」

テリーヌは、主に陶器、そのほか、土器、金属などでできた容器の呼び名であり、同時にテリーヌで調理した料理も指します。現在のテリーヌ型は長方形や台形の形をしていますが、もともとは丸形でふたが付いており、料理もシャルキュトリーの長期保存を目的としたものでした。現在では、肉やジビエはもちろん、野菜をコンソメのジュレなどで冷やし固めた「野菜のテリーヌ」、「チョコレートのテリーヌ」「リンゴのテリーヌ」など、テリーヌ型を使用した料理なら、スイーツも含めて何でも「テリーヌ」と呼ぶことができます。テリーヌは冷製あるいは常温でいただくのが一般的。皮に見立てたキャベツなどの野菜でさまざまなファルス(詰め物)を包むことも多く、見た目も具材もバリエーションに富み、さまざまな具材を盛り込んだカラフルなテリーヌは、コース料理の前菜となることも多いです。もともとはテリーヌ容器に入った状態で供されるものをテリーヌと呼んだそうですが、現在のテリーヌは「型」としての役割が大きいようです。

パテとテリーヌの線引きは曖昧に

本来は、皮で包まれているものがパテ、テリーヌ型で成形した皮なしのものが「テリーヌ」でしたが、現在はフランスでもパテとテリーヌの線引きはあいまいになっていて、パテとテリーヌはセットで語られます。パイ生地でファルスを包んで焼いたパテは、「パテ・アン・クルート(pâté en croûte:皮付きのパテ)」と呼んで明確に区別をしますが、現在は皮の有無にとらわれず、呼び方は作り手の考え方次第になっているよう。スーパーでは普通の瓶に入った「テリーヌ」も販売されています。つまり、パテとテリーヌの違いがわからなくても無理はないのです(笑)。

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網脂で包んで香ばしい焼き上がりにこだわり、「これぞパテ・ド・カンパーニュ」という味に仕上げました。ぜひ一度ご賞味ください!

(参考)

「フランス料理ハンドブック」辻調グループ 辻静雄料理教育研究所 編著

「フランス料理の基本講座」荻野伸也